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会陰ヘルニアとは?

 

犬のヘルニアといわれる「会陰ヘルニア」ですが、人間にもごくまれに発症することがあります。

 

会陰部とは、外側から見ると肛門と外陰部との間の部分になります。
内部では、骨盤の出口を塞いでいる軟らかい部分一体をさします。

 

 

会陰ヘルニアは、他の疾患の手術の瘢痕(はんこん=傷跡)が原因となる「瘢痕ヘルニア」と、会陰部自体が原因となる「原発性ヘルニア」とに分けられます。

 

 

男性と女性では、起こる場所が異なると言われていますが、女性の方がかかる率が高くなっています。
恐らく、女性は妊娠や出産などがあるため、会陰部が大きく収縮することが原因の1つではないかと考えられます。

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会陰ヘルニアの症状

 

「会陰ヘルニア」は、小腸や膀胱、大腸などが会陰部分に脱出するヘルニアです。

 

かかると時々腹痛が起こったり、排尿・排便障害などが起こります。

 

会陰部に腫瘤が出ることもあり、そう言った場合には座ったときに会陰部に不快感を覚えます。
まれに、でん部(おしり)や外陰部に腫瘤が出ることもあります。

 

会陰ヘルニアの手術法

 

「会陰ヘルニア」は、腹部のエックス線検査や、造影検査によって診断されます。

 

 

これらで、腸管のガス像や小腸像、膀胱像が異常な位置にあると会陰ヘルニアの可能性があります。

 

 

たいがい、開腹して欠損部を直接縫合するか、メッシュなどの人工物を使用してヘルニア門を閉鎖する手術が行われます。

坐骨ヘルニアとは?

 

「坐骨ヘルニア」は、ヘルニアの中でももっともまれな病気で、2006年の発表では世界でも77例しかないと報告されています。

 

坐骨とは、座ったときに椅子にあたる二つの骨のことをいいます。

 

 

坐骨神経はお尻全体を覆う梨状筋の孔を通っています。
その孔から他の臓器が脱出する病気を、坐骨ヘルニアといいます。

 

 

脱出する臓器は、発症例の半数が「回腸」と「尿管」となっています。
これまでの例では単独で診断されたものはほとんどなく、他の疾患に対する開腹手術や、あるいは死亡したあとの剖検(解剖検査)で初めて判明する事が多くなっています。

 

事前に診断できた場合は、手術によって治療します。

 

坐骨ヘルニアと梨状筋症候群

 

「坐骨ヘルニア」と症状の似ているものとして、「梨状筋症候群」という病気があります。

 

坐骨ヘルニアは梨状筋の孔から他の臓器が脱出する病気ですが、梨状筋症候群は梨筋状そのものに問題が発生します。

 

 

症状としては、お尻や足のしびれ、坐骨神経痛、大腿の痛みがあります。
これは、坐骨ヘルニアも同じですが、梨状筋症候群の原因としては「筋肉の硬直」「筋肉の炎症」などがあげられます。

 

 

坐骨ヘルニアはあくまでも、ヘルニア(あるものが他へ脱出してしまった状態)が認められる症状に対して診断されます。

 

 

 

一方、梨状筋症候群は梨状筋自体に問題があり、レントゲンやCTなどでわかるものではありません。

 

患者の自覚症状や、局部麻酔の効き方などで判断します。
症状は似ていますが、診断方法は全く異なり、治療法も違うため注意が必要です。

犬の会陰ヘルニアとは?

 

「会陰ヘルニア」は、人間よりも犬の病気としての認知度の方が高いです。

 

 

ほとんどが、雄の老犬がかかる病気で、おしり周辺の筋肉が緩んできたためにできた孔(あな)から、腸や膀胱が脱出するようになる病気です。

 

 

症状としては、まず、排便が困難になります。

 

 

ヘルニア孔ができると本来整然としていた腸が蛇行してしまい、排便する際の障害になります。
便がでにくくなり、次第に便秘になってしまうことがほとんどです。

 

犬が、「んー」っと息んでいるのに便が出ないといった症状があると要注意です。

 

 

痛みを感じるケースは少ないようなので、行動をよく見ておくことが大切です。
目で見てわかる症状としては、会陰部の腫れがあります。

 

便をしようとお腹に力を入れたときに、肛門の周囲や横が膨らんでくるなら会陰ヘルニアの可能性ありです。

 

息まなくても、ずっと腫れている犬もいます。毛の長い犬などはわかりにくいので、時々チェックしてあげましょう。

 

犬の会陰ヘルニアの内科的治療法

 

犬の「会陰ヘルニア」には、その初期段階であれば内科的療法もあります。

 

食物繊維を多く摂取させたり、牛乳や便を緩くする薬を使って排便を促します。

 

 

会陰ヘルニアになると、腸が蛇行してしまうので、時々腸内に不自然にたまってしまう便をかき出してあげる作業も必要です。

 

この作業は手を使って直接するもので、犬にとっても辛い治療法となりますから、鎮静剤をうつこともあります。
ただこの治療法は症状の緩和というレベルで、ヘルニアを完治させるのは難しいでしょう。

 

犬の会陰ヘルニアの手術方法

 

犬の「会陰ヘルニア」を完全に治すには、やはり手術が必要となってきます。
手術の方法として、まずは「去勢手術」をおこないます。

 

 

会陰ヘルニアの多くが、未去勢の老犬におこっているため、発生原因をまずはとりのぞくのです。

 

 

その後開腹し、ヘルニアによって蛇行してしまった直腸をできるだけまっすぐになるよう、結腸を腹の内に固定します。
お腹を縫合したあと、お尻の部分にできたヘルニア孔(=あな)を塞ぎます。

 

 

ヘルニア孔のみを整復する手術法もありますが、穴だけを塞ぐ方法では、また別の場所にヘルニア孔開いてしまい、再発につながる可能性が高くなってしまいます。
筋肉が弱くなってしまっているので、腸を補強してあげることで再発しにくくなります。

 

 

犬の会陰ヘルニア手術の問題点

 

犬の会陰ヘルニアを完治させるには手術が必要となります。
しかし、この手術にも色々と問題があるようです。

 

 

特に飼い主側からクレームが多いのが、「術後に太った」というものです。

 

 

手術との因果関係は解明されていませんが、ヘルニアが治って便秘もなくなり、健康な状態になったからと言ってあまり食べさせず、しっかりと食事管理を行うことが大切です。

 

きちんと食事管理をして、運動もさせているのに太ったというのであれば、手術を担当した医師に診てもらうのが良いでしょう。

 

 

 

また、去勢手術をしたので生殖能力がなくなるということを不満に思う方もいるようです。
飼い主さんの強い要望があれば、精巣を残す場合もあります。

 

ただしその場合、会陰ヘルニアが再発する可能性は高くなってしまいます。
それから、会陰ヘルニアに限らず開腹手術をおこなうと、ペニスが曲がってしまいます。

 

切開した部分に引っ張られて、左右に傾いてしまうためです。

 

 

あまり犬のペニスをじろじろ見て「あら、曲がってるわね」と思う人もいないと思いますが、
そういったことがあることを承知して手術に同意しなければなりません。

 

 

犬の会陰ヘルニアの予防

 

「犬の会陰ヘルニア」になるのは、だいたい雄の老犬におおくみられます。
なかでも、去勢手術を行っていない犬がほとんどです。

 

 

このことから、会陰ヘルニアとは男性ホルモンの関係でおこる病気と思われます。

 

 

5、6歳になってもまだ去勢を行っていない場合は、他に何か事情がない限り、去勢手術をすることをおすすめします。
去勢手術は、会陰ヘルニアの予防だけではなく、前立腺疾患の予防にもなります。

 

 

5、6歳というと老犬というにはまだ若いのですが、本当に老犬になってからではちょっと病気をするのも大変になりますし、治療や手術など体に負担をかけてしまいます。
会陰ヘルニアにかかると1、2時間かかる手術をおこないますが、去勢手術は10分前後です。

 

 

少し若いうちに去勢手術をしておいたほうが、犬の体力的にも無難といえます。

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